VX-8でAPRSを楽しもう! その2 運用編
VX-8でAPRS! 運用編
前回の設定編がうまくできたらいよいよAPRSデビューです。
APRSはパケット通信ですが、VX-8の場合は技適機モデルで内蔵TNCですので
付加装置等の申請は不要で、通常通り技適機としての申請をするだけでOKです。
Bバンドに144.64又は144.66MHzに合わせてみましょう。
次にMENUボタンをポンと押すとGPS画面に切り替わります。
GPSからのデータを受信するために屋外に出るか窓際にVX-8を置いてみてください。
早ければ1分程度で衛星測位を始め、緯度経度が表示されます。
画面左下には測位開始と同時に衛星のアイコンと測位中の衛星の数が示されます。
SPD(スピード)は0km/hと出てますね。自転車とか車で移動するとここに移動スピードも表示されます。このGPSはなかなかの高感度で、車の助手席に転がしておいても受信しますし、必ずしもGPSアンテナが窓を向いていなくとも受信してくれます! 衛星を失尾しますと、衛星アイコンが消え緯度経度画面が点滅を始めます。
次にMENUボタンをポンと押すとステーションリスト画面に切り替わります。
もし近所にAPRS移動局、I-GATE局、デジピーター局があれば、ここに受信した局のコールサインと受信時間が表示されます。
APRS移動局・・・直接電波を送信してくるモービル局やハンディ局I-GATE局・・・インターネットとのゲートウェイ局です。この局を介してデータがインターネットと行き来します。
直接受信できない遠隔地域のAPRS移動局のデータがインターネットを経由してこのI-GATE局が再送信し、VX-8がそれを受信する訳です。
デジピーター局・・・パケット用レピーター局ですね。デジピーター局の受信範囲内で受信したAPRS移動局の信号を再送信して、最寄のI-GATE局に届ける役割を果たしていますが、この信号をVX-8で受信することもできます。近所にI-GATE局がない場合は、あなたもこのデジピーター局にお世話なってご自分のVX-8からのビーコンをI-GATE局まで届けてもらえるのです。
もし、誰か受信したコールサインがリストに出ていたら、そこにカーソルをあわせBANDボタンをポンとおしてください。
その局の詳細情報画面が表れます。ステーションリストではコールサインと受信時間だけですが詳細画面に切り替えると、自分のGPSデータをもとに自動計算して相手局の方向(矢印表示)、移動スピード、相手と自分との距離、受信局の形態(固定局か移動局かなど)とアイコン、また相手局もVX-8の場合は「VX-8」と表示されます。
これらの情報は、APRS局が発射するビーコンの中に含まれています。さらに一定量のメッセージ文も読むことが出来ます。
設定編では「無視」しましたが、ここで設定してみましょう。
APRSメニューのセットモード13番「ビーコンステイタステキスト」に入ります。この中でメッセージ文を5種類まで登録することが出来ます。皆さん、ビーコンの中にどんなメッセージを入れているか見てみると……
「 RC710+FT7800 144.64MHz・・・ 」……FT7800にKENWOODのAPRSコントローラーRC710を組合わせて144.64で運用中~
「 WiRES #0510D LISTENING・・・ 」……ワイヤーズのCQルームを聞きながら走行中です~
「 VX-8 walking・・・」……VX-8で歩いてます~!
「UI-VIEW32 V2.03・・・」……UI-VIEW32というAPRS用ソフトにてI-GATE運用中~
などなど様々なメッセージを読むことが出来ます。
自分のビーコンを受け取ってくれた世界中の局にどんなメッセージを伝えたいか想像しながら、テキストメッセージ文をメモリーしておきましょう。
APRSステーションリスト画面に戻り、再びMENUボタンをポンと押すと今度はAPRSメッセージ画面に移ります。
これは今述べたビーコン用のメッセージとは違います。APRSメッセージは、ビーコン波以外にメッセージのやり取りだけのためにデータの送受信をすることが出来ます。
APRS(オートマチック・パケット/ポジショニング・レポーティング・システム)は、イメージ的に地図上に自分や仲間の位置データをプロットされたものを見て楽しむだけのトラッキングシステムという考えが先行していますが、本当のAPRSの楽しみは一方通行でトラッキングデータを送信して遊ぶためだけのものではなく、2WAY・双方向のコミュニケーション手段として楽しむべきものであると、このAPRSの創始者・ボブさん(WB4APR)は声を大にしてPRしています。
これはトラッキング行為を否定する訳ではなくて、トラッキングだけで終わってはもったいないョ、トラッキングされたら又は他局のトラッキングを見れたら今度は次のアクションを起こそう! もっと相手とコミュニケーションを取ろう!と提唱されているのだと私は解釈しています。
このコミュニケーション手段にAPRSメッセージ機能はとても大事な役割を担っているわけです。
イメージとしては……携帯電話のショートメッセージ・ショートメールという感じでしょうか!
VX-8では送信したメッセージ、受信したメッセージあわせて最大20回分を新しい順に記憶します。
メッセージは、メールアドレスの代わりに相手のコールサインを使用します。
相手から届いたメッセージへの返事は、携帯でレス文を作成する操作感覚ですぐにメッセージ文の作成に入れます。
メールと最大の違いは、和文が残念ながら使えません。グローバルシステムなだけに英文入力です。
そこであとは、ハムの世界でも得意な略語を駆使したり、ローマ字読みで表現したり、CW用略語を交えたり色々と工夫しながら、ショートメッセージを多くの局が楽しんでおられますよ!
「 PSE 433.00 QSY ? 」 (433.00をワッチできますか?そちらでコールします!)という使い方もありますし、最近はワイヤーズ局の中でも144MHzでAPRSビーコンを発信しながら430でワイヤーズの交信を楽しむという遊びが流行っているようで、交信の中で「○×さん、見えてきましたのでコールしました!綺麗に見えてます~」なんて会話も聞こえます。
綺麗に見える???キレイに聞こえてるの間違いじゃないの???と知らない局は思いますね。笑 相手局は固定局で、パソコンで地図にトラッキングされた移動局のデータを見て、ビーコンコメントからワイヤーズをワッチしていると判っていて呼び出したのです。
この例も一方通行でなく、立派に双方向コミュニケーションツールとして機能しているAPRSの面白い例だと思います。
最後に国内で有名なAPRS関係のサイトをご紹介します。
CQ誌の紙面上や各種イベント時におけるセミナー等でご活躍の方々のサイトです。
JAPRSXのページ http://aprs.xii.jp/aprs/
JQ1YDAのページ http://jq1yda.org/topics/aprs/index.html
そして、WEB上でトラッキングデータを検索出来るサイトです
Google APRS Maps http://aprs.fi/
追加情報
【質問】 APRSの時1200PBSの時は、良いのですが、9600BPSに設定すると、ゲート局にひらってもらえません。ゲート局はケンウッドTM-D710です。もちろん設定や、周波数、シグナル強度は十分です。VX-8の9600設定時は問題があるとか、TM-D710との相性が悪いとか、?? 設定が特別に必要とか。
【答え】9600運用でのデコード率について、1200と比較しかなり相性に格差が発生しています。ゲート局・デジ局ともに、710やアルインコ製、また専用TNCなどによりデコード率に差がでているようです。個々の機器のデータ信号の入出力レベル差が原因のようです。信号強度が十分にもかかわらずデコードしない大半はこれが原因ではと予想されます。VX8同士よりもTMD710との間の率が低い点は既にスタンダード社でも把握。原因究明と今後の対応方法について協議を進めているとのことです。暫定的対策ですが、セットモード37番でハーフディビュエーションON設定にし、さらにAPRSセットモード11番で送信ディレータイム値を少し長めにし、試してみてください。少しデコード率の改善がみられるかもしれません。
■VX-8ページはこちら。
CQオームに戻る
トピックストップに戻る
前回の設定編がうまくできたらいよいよAPRSデビューです。
APRSはパケット通信ですが、VX-8の場合は技適機モデルで内蔵TNCですので
付加装置等の申請は不要で、通常通り技適機としての申請をするだけでOKです。
Bバンドに144.64又は144.66MHzに合わせてみましょう。
次にMENUボタンをポンと押すとGPS画面に切り替わります。
GPSからのデータを受信するために屋外に出るか窓際にVX-8を置いてみてください。
早ければ1分程度で衛星測位を始め、緯度経度が表示されます。
画面左下には測位開始と同時に衛星のアイコンと測位中の衛星の数が示されます。
SPD(スピード)は0km/hと出てますね。自転車とか車で移動するとここに移動スピードも表示されます。このGPSはなかなかの高感度で、車の助手席に転がしておいても受信しますし、必ずしもGPSアンテナが窓を向いていなくとも受信してくれます! 衛星を失尾しますと、衛星アイコンが消え緯度経度画面が点滅を始めます。
次にMENUボタンをポンと押すとステーションリスト画面に切り替わります。
もし近所にAPRS移動局、I-GATE局、デジピーター局があれば、ここに受信した局のコールサインと受信時間が表示されます。
APRS移動局・・・直接電波を送信してくるモービル局やハンディ局I-GATE局・・・インターネットとのゲートウェイ局です。この局を介してデータがインターネットと行き来します。
直接受信できない遠隔地域のAPRS移動局のデータがインターネットを経由してこのI-GATE局が再送信し、VX-8がそれを受信する訳です。
デジピーター局・・・パケット用レピーター局ですね。デジピーター局の受信範囲内で受信したAPRS移動局の信号を再送信して、最寄のI-GATE局に届ける役割を果たしていますが、この信号をVX-8で受信することもできます。近所にI-GATE局がない場合は、あなたもこのデジピーター局にお世話なってご自分のVX-8からのビーコンをI-GATE局まで届けてもらえるのです。
もし、誰か受信したコールサインがリストに出ていたら、そこにカーソルをあわせBANDボタンをポンとおしてください。
その局の詳細情報画面が表れます。ステーションリストではコールサインと受信時間だけですが詳細画面に切り替えると、自分のGPSデータをもとに自動計算して相手局の方向(矢印表示)、移動スピード、相手と自分との距離、受信局の形態(固定局か移動局かなど)とアイコン、また相手局もVX-8の場合は「VX-8」と表示されます。
これらの情報は、APRS局が発射するビーコンの中に含まれています。さらに一定量のメッセージ文も読むことが出来ます。
設定編では「無視」しましたが、ここで設定してみましょう。
APRSメニューのセットモード13番「ビーコンステイタステキスト」に入ります。この中でメッセージ文を5種類まで登録することが出来ます。皆さん、ビーコンの中にどんなメッセージを入れているか見てみると……
「 RC710+FT7800 144.64MHz・・・ 」……FT7800にKENWOODのAPRSコントローラーRC710を組合わせて144.64で運用中~
「 WiRES #0510D LISTENING・・・ 」……ワイヤーズのCQルームを聞きながら走行中です~
「 VX-8 walking・・・」……VX-8で歩いてます~!
「UI-VIEW32 V2.03・・・」……UI-VIEW32というAPRS用ソフトにてI-GATE運用中~
などなど様々なメッセージを読むことが出来ます。
自分のビーコンを受け取ってくれた世界中の局にどんなメッセージを伝えたいか想像しながら、テキストメッセージ文をメモリーしておきましょう。
APRSステーションリスト画面に戻り、再びMENUボタンをポンと押すと今度はAPRSメッセージ画面に移ります。
これは今述べたビーコン用のメッセージとは違います。APRSメッセージは、ビーコン波以外にメッセージのやり取りだけのためにデータの送受信をすることが出来ます。
APRS(オートマチック・パケット/ポジショニング・レポーティング・システム)は、イメージ的に地図上に自分や仲間の位置データをプロットされたものを見て楽しむだけのトラッキングシステムという考えが先行していますが、本当のAPRSの楽しみは一方通行でトラッキングデータを送信して遊ぶためだけのものではなく、2WAY・双方向のコミュニケーション手段として楽しむべきものであると、このAPRSの創始者・ボブさん(WB4APR)は声を大にしてPRしています。
これはトラッキング行為を否定する訳ではなくて、トラッキングだけで終わってはもったいないョ、トラッキングされたら又は他局のトラッキングを見れたら今度は次のアクションを起こそう! もっと相手とコミュニケーションを取ろう!と提唱されているのだと私は解釈しています。
このコミュニケーション手段にAPRSメッセージ機能はとても大事な役割を担っているわけです。
イメージとしては……携帯電話のショートメッセージ・ショートメールという感じでしょうか!
VX-8では送信したメッセージ、受信したメッセージあわせて最大20回分を新しい順に記憶します。
メッセージは、メールアドレスの代わりに相手のコールサインを使用します。
相手から届いたメッセージへの返事は、携帯でレス文を作成する操作感覚ですぐにメッセージ文の作成に入れます。
メールと最大の違いは、和文が残念ながら使えません。グローバルシステムなだけに英文入力です。
そこであとは、ハムの世界でも得意な略語を駆使したり、ローマ字読みで表現したり、CW用略語を交えたり色々と工夫しながら、ショートメッセージを多くの局が楽しんでおられますよ!
「 PSE 433.00 QSY ? 」 (433.00をワッチできますか?そちらでコールします!)という使い方もありますし、最近はワイヤーズ局の中でも144MHzでAPRSビーコンを発信しながら430でワイヤーズの交信を楽しむという遊びが流行っているようで、交信の中で「○×さん、見えてきましたのでコールしました!綺麗に見えてます~」なんて会話も聞こえます。
綺麗に見える???キレイに聞こえてるの間違いじゃないの???と知らない局は思いますね。笑 相手局は固定局で、パソコンで地図にトラッキングされた移動局のデータを見て、ビーコンコメントからワイヤーズをワッチしていると判っていて呼び出したのです。
この例も一方通行でなく、立派に双方向コミュニケーションツールとして機能しているAPRSの面白い例だと思います。
最後に国内で有名なAPRS関係のサイトをご紹介します。
CQ誌の紙面上や各種イベント時におけるセミナー等でご活躍の方々のサイトです。
JAPRSXのページ http://aprs.xii.jp/aprs/
JQ1YDAのページ http://jq1yda.org/topics/aprs/index.html
そして、WEB上でトラッキングデータを検索出来るサイトです
Google APRS Maps http://aprs.fi/
追加情報
【質問】 APRSの時1200PBSの時は、良いのですが、9600BPSに設定すると、ゲート局にひらってもらえません。ゲート局はケンウッドTM-D710です。もちろん設定や、周波数、シグナル強度は十分です。VX-8の9600設定時は問題があるとか、TM-D710との相性が悪いとか、?? 設定が特別に必要とか。
【答え】9600運用でのデコード率について、1200と比較しかなり相性に格差が発生しています。ゲート局・デジ局ともに、710やアルインコ製、また専用TNCなどによりデコード率に差がでているようです。個々の機器のデータ信号の入出力レベル差が原因のようです。信号強度が十分にもかかわらずデコードしない大半はこれが原因ではと予想されます。VX8同士よりもTMD710との間の率が低い点は既にスタンダード社でも把握。原因究明と今後の対応方法について協議を進めているとのことです。暫定的対策ですが、セットモード37番でハーフディビュエーションON設定にし、さらにAPRSセットモード11番で送信ディレータイム値を少し長めにし、試してみてください。少しデコード率の改善がみられるかもしれません。
■VX-8ページはこちら。
CQオームに戻る
トピックストップに戻る
- 関連記事
-
- FTM-10でバイク運用を楽しんじゃおう! その2 ヘッドセット類!
- FTM-10でバイク運用を楽しんじゃおう! その1
- VX-8でAPRSを楽しもう! その2 運用編
- VX-8でAPRSを楽しもう! その1 設定編
- VX-8徹底分析!その3 GPSで遊ぶ!
スポンサーサイト
Genre : 趣味・実用 デジタル家電・AV機器
Comment
管理人様
VX-8Dを使ったAPRSの運用で調べているうちに、こちらに辿り着きました。
以下、アドバイスをいただけましたら幸いでございます。
VX-8Dで「チャンネルB」を「144.640」にし、APRS MODEMは「9600bps」に
設定しております。この状態で、現在地を
http://aprs.fi/
上記サイトで調べようとすると、地図上に表示される時もあれば、表示されない
時もあります。この、表示される時とされない時の原因が分からないため、
困っております。
ご教示いただけましたら、幸いでございます。
VX-8Dを使ったAPRSの運用で調べているうちに、こちらに辿り着きました。
以下、アドバイスをいただけましたら幸いでございます。
VX-8Dで「チャンネルB」を「144.640」にし、APRS MODEMは「9600bps」に
設定しております。この状態で、現在地を
http://aprs.fi/
上記サイトで調べようとすると、地図上に表示される時もあれば、表示されない
時もあります。この、表示される時とされない時の原因が分からないため、
困っております。
ご教示いただけましたら、幸いでございます。
APRSについて [URL] [Edit]