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アルインコ富山工場見学記!

アルインコ富山工場見学記!

アルインコさんの全面協力を得まして、今回、アルインコ富山工場を見学させていただきました!
電源やDCDC、アマチュア無線機、特定小電力トランシーバー、受信機、351MHz簡易デジタル機などなど、業界に様々な商品を提供しているアルインコさん。
しかし、それらの一部が、国内の富山工場で作られていることは、あまり知られていません。
せっかく、自分たちが愛用している機器ですから、ちょっとどんな感じで作られているのか、興味がありますよね!
ということで、今回、お願いして、個人的に、工場を見学させていただきました。大雪の予報もあり、電車で出かけることに。
気分は、小学生の社会見学状態です……笑。
※写真はクリックで大きくなります。


【工程1】工場に入るまで~

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しらさぎ→はくたかコース、3時間強。

こちらがアルインコ富山!
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アルインコ(全体)の社憲 社会に貢献 会社の発展 社員の成長
経営方針 ニッチマーケットでトップ企業に
↑なるほど納得。まさにその通りの経営ですよね!

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さて、工場の中に入る前に、アルインコ富山工場のお話を少し。

S56 小杉電子株式会社がその前身。
松下電器産業(株)のビデオデッキプリント基板組立などを行ってきました。
当時はビデオデッキが1台20万~30万円の時代です。月産10万台というお話でした。

平成3年、アルインコ株式会社グループ傘下に参入。
無線機器製造を開始。

平成4年 アルインコ富山株式会社に社名変更。

なお、アルインコ製品だけではなく、その他、各社からの受注を受けて、生産を行っています。
通信機器、サーバー、パソコン関連・携帯電話関連、その他プリント基板組立製品を作っています。

【工程2】部品倉庫

まずは、部品の倉庫を見せていただきました!
整然と並んでいますが、すごい数です!

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常時、部品は2万品種が確保されています。
円盤状に見えているのはリール。映画のフィルムのように、小さなパーツがくるくると巻いて収納されています。

【工程3】ライン概観

続いて、ラインを見学!
3ラインがあります。
写真手前から奥に向かって、商品は流れてゆきます。
それほど広くないんですが、整然と機器が並び、綺麗です。
機器の場所なども、時々に応じて、簡単に変更出来るようです。
すごく合理的です。

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【工程4】チップマウンタ

さて、実際の基板上にチップをおいてゆく作業です。
海外では、人が並んで、ピンセットでつまんで……なんていう光景もあるようですが……。

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1リール1万個のチップが入っています。チップはバーコード管理。
多い時には150個のリールが並びます。
大量の注文時には切れるタイミングも分かるようになっています。
モニター上で、正しいバーコードを持つチップが、正しい場所にセットされたか、以前に置いたチップと同じかどうか、また、リールの交換時期なども全て確認出来ます。このソフトも自社開発だそうです。

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↑リールセット作業。ここは手作業。昔の映画みたいです。


そして、高速でチップをおいてゆきます!海外では、全て人海戦術、人間がチップをつまんでのっけるところもあるといいますが……。マウント動画↓


今回は、一番奥のラインが動いていましたが、さらに最新型もあるそうです。見学時には、そちらが動いていなかったのが残念。

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チップを吸い付けて持ち上げます。
持ち上げた時のチップの形・方向などを認識、自動で修正して、正確に基板上に置いてゆきます。
写真は、静止画ですが、すごいスピードで、次から次へと、この画面が流れてゆきます。

【工程5】リフロー炉

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ハンダを溶かして、固定するところ。
なまりフリーになってから、一番変わったところ。
まず、高温が必要になったとのことです。
250度で2箇所。通信機のように薄い2層の基板くらいであれば、いいんですが、4層・8層などの場合には、中まで熱が通らないそうで、なかなか難しいんだそうです。。

【工程6】外観検査他

ラインを出ますと、次はチェックです。
まずは、外観から、ハンダ付けなどがしっかりされているかをチェック。その後、目視チェック。問題がなければ、製品検査部に送られるという仕組みです。

各種検査機能の充実にびっくりです。
画像検査も、最新のものは、3Dで、自由自在に拡大縮小して、チェック。
ただ、それでも、背の高い電解コンデンサなどの場合には、様々なチェックが必要とのこと。

他に、お客様の依頼によっては、レーザーマーカートレーサビリティーが必要なものも。
基板ごとに追跡用の個体番号を打ち込んでゆきます。
ビーコンをキャッチする受信機セットなどもこういったトレーサビリティを使っているそうです。

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ものすごい勢いで画像が流れてゆきます。
コンピューターがチェック作業してゆきます。

【工程7】X線検査

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X線検査機です。

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手元のマウスで、ぎりぎり動きます。
角度をつけて、立体的に見ることも可能です。
基板の状態をチェック出来ます。

【工程8】後処理

ここまで徹底して機械でエラーチェックすれば完全ですね!
いえいえ、実はそうではないんだそうです。
エラーチェックをしてはねられた商品の99%が実は問題ないんだそうです。
しかし、だからといって、エラーチェックの精度を下げてしまうと、エラーが発見できない可能性もあるわけで、このさじ加減が難しい。
実際には、エラーチェックされた1%を、今度は、さらに目視検査、顕微鏡でチェックに入ります。

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どんなに機械化が進んでも、最後は人の技術。
それらをバランスよく、両者の得意を組み合わせるという発想なんだそうです。

【工程9】商品性能検査

出来上がった基板を筐体に収めコネクターなど接続の上商品が完成し、性能の最終的な検査に入ります。
測定機器の配線がすごいことになっています……笑。

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どんどん、出来ています!

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基本性能を、様々な測定器で検査。

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実際に、電池パックをつけて、コードを送信。送信されたコード内容に誤りがないかを最終検査。
問題がなければ、アンテナをパッケージして、シール。ディスプレイを綺麗に拭いて、シール。
右上に見えている二台はラベラー。技適番号もここで貼り付け。

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こちらは、箱組立。パッケージされてゆきます。

【工程10】入出庫倉庫

アルインコ電子の商品は、海外で作られるもの、富山で作られるものと、二種類。
いずれも、この倉庫に入ります。

海外で作られた商品は、この富山で、各種検査を受けた後、全国のお店さんに出荷されることになります。

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この中には、当店へ送られる商品もあるんでしょうね。

ということで、こんなに見せてもらっていいのか! というくらい、隅の隅まで見せていただき、解説していただきました。
技術の方の話がすごすぎて、うまく再現できていないかもしれません。私の能力の限界ということで、許して下さい。
記載したラインの工程は、ご説明いただいた部分の一部分でして、これで全てというわけではありません。

いやあ、それにしても、こうやって、無線機は、完成してゆくんですね~。
感慨深いものがありました!
機械と人間がその得意を活かし、また、何重にもエラーをチェックして、製品の精度を上げているんですね。

いろいろ勉強になりました!
本日はありがとうございました!


【おまけ】
お昼は近所で、ブラックラーメン食べました~。
美味しかったですよ~。

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